アモルファスモータについて(後編)
梅雨空から大粒の雨が降り、白っぽく乾いた駅が黒く雨色に覆われました。
今日は大分の会社まで、博多から特急に乗込む予定です。「夏空の海を見ながらのんびりと出張できる」の目論見も、いつまでも空けない梅雨空がかき消てしまいました。
博多の2番線には、大雨で遅れた電車が着き、旅行気分のリュックを押し退け通勤客の波がうねっています。ただでさえ蒸し暑いところにこの人、ホームは一瞬表面張力一杯のコップの水の様に膨れ上がり、そして少しづつ引いていきました。
そこに特急がするすると入って来て、やっと私の番だと列車に慌てて乗り込み、座席につくとやっと一息つくことができました。余裕ができ周りをみると、在来線の特急は7割程度の乗客で半分以上が観光目的のようです。幸い行橋を過ぎても、私の指定席の隣には人が乗ってこなかったので、窓側に座り直ししばらく外の景色をぼーっと眺めていました。雨はやんだようです。遠くにはさっきまでの雨に濡れた森が続き、過行く景色は田園風景で、山を切り開いた狭い田んぼの横には小川が流れまさに日本の田舎が広がってまるでジブリの世界にでも入り込んだようです。やはり車を運転しないでのんびり景色が眺れる列車の旅はいいものだと出張を忘れる瞬間です。
さて、ここまでの文章は数年前に出張の折書いていたメモです。出張のたびに列車に一人で乗ったときにはこういったメモを日付とともによく残しています。今回7月初めのブログを書くにあたり、「梅雨」で過去のメモを検索するとこのメモが出て来たので使ってみました。(自分GPTですかね?:笑)
お待たせしました。本日はアモルファスモータについての後編です。すでに弊社HPのinfoで紹介させて頂いておりますので、もしかしたら気付いている方もおられるかもしれませんが・・。以前からお話させて頂いております、アモルファスモータの本当の意味での量産化が間近に迫っています。というのも、先にお話ししましたようにアモルファス材を使ったモータの量産化にはプレス抜きがネックだったのですが、ネクストコアテクノロジーズと言う会社がついにこれを可能にしました。全てのモータがこれに置き換わるとは思いませんが、この技術は今後のモータの小型化、高効率化に寄与するのは間違いないと思われます。
弊社は自社でモータを製作出来ないお客様で、このモータを使う事で付加価値を生み出すことが出来るお客様へいち早くモータをお届けしたいとの思いから、このコアを利用したモータのラインナップを現在のIPMで実現することを進めております。(プレスリリースを参照下さい)
前編でお話ししました、まさに下図が現状でのモータ高効率化の課題だったのですが・・
アモルファスの打抜きが量産レベルで出来ると、特に高速回転域で使うモータにはかなりの効果が期待できそうです。下記は弊社のIPM-73Mをアモルファスへ置換えた時の効率と損失の変化です。
弊社では、これまでビザイム社製のコアを利用し、自社IPM-73モータを利用したアモルファスモータの製作・評価を実施してきました。その中でアモルファスモータに関し設計・製造ノウハウを蓄積することが出来ました。
このたび、ネクストコアテクノロジーズ社のコアを利用し、アモルファスIPMモータのシーリーズIPM-A73、A112の量産化を予定しております。
■ アモルファスIPMモータラインナップ予定
■ 量産予定(目標)
・IPM-A73シリーズ ・IPM-A112シリーズ
試作対応開始時期:2023年9月より 試作対応開始時期:2024年6月より
量産対応開始時期:2024年4月より 量産対応開始時期:2024年12月より
まずは、今年の9月より試作レベルでのモータ提供(IPM-73シリーズ)を予定しておりますので
ご興味があるお客様はお声かけ下さい。
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6月の初めに、Netflixで「The Days」という福島第一原発の吉田所長(当時)の調書を基にしたドラマをみて衝撃を受けました。全8回の長編です。福島原発の事故が起きた時その現場にいて、何とか被害が大きくならないように頑張ってた人達がいる事は何となく知ってましたが、よくぞこんな中こんなにも近くで何日も何人もの人たちが、必死で(それこそ死ぬのを覚悟で)頑張っていたんだと言う事は知っておくべきだと思いました。この現実を知らなかったことが恥ずかしいとさえ思えました。どこにも忖度のない真実の再現ドラマです。これをみたら平気な顔で、「やっぱり原発は必要だよね」とか言えなくなります。ここまでだったんだ、こういう事が起こりえるんだ、今回のこの事故でさえ、たまたまこれくらいで済んだという真実を知っておくべきと思います。もしかしたら日本は本当に壊滅していたかもしれません。よかったら是非みて下さい。
(もちろんこれは私、藤井の個人的意見ですし、Netflixの信者でもありません・!)