IPMモータ・ギアモータ直近の開発動向
Joeです。
昨年より電子部品関係、コネクタ関係等々あらゆる部品の入手が困難となり、世界的規模で部品不足が続いていますが、一体いつまで続くのでしょうか?
今年に入ってからはロシアがウクライナへ侵攻したことにより様々な物の値上がりが始まり、私達の生活をも脅かしています。
又、今年は梅雨明けが早くなんと史上最短の梅雨明けとなり、各地で6月の過去最高気温を記録するなど、異常気象となっていますが、これも地球温暖化の影響ですね。
地球規模の課題である温室効果ガスの排出量と吸収量で全体をゼロにする、「カーボンニュートラル」を目指すという環境省の宣言のもと、エンジンからモータへという動きが活発になり、最近の引き合いでは電動草刈機、トラクター用播種機等のバッテリー(DC電源)駆動用のIPMモータ(ブラシレスモータ)とCAN通信を搭載したドライバの引き合いが増えています。
現在弊社のIPMモータは出力125W~1.2kWのラインアップとなっています。
IPM-73シリーズは125W、250W、400Wの3種類、IPM-112シリーズは500W、800W、1.2kWの3種類となっています。
更に道路舗装用ローラーの油圧ポンプ駆動エンジンに代わり、モータで油圧ポンプを駆動させるため、高出力のご要求もあり、まだまだ試作レベルですが出力3kWまでの製作が可能になったところです。
上記の他にも減速機付きIPMもあり、低速・高トルクの仕様には最適です。弊社では社内で歯車も製造しているためお客様の仕様に合った減速機を提案しています。IPG-112は、現在油圧ポンプ駆動用としてお客様へ提供しています。
IPG-112に搭載している減速機は通常の電動工具などと同様の円筒歯車ですが、最近は遊星歯車に対する要望も増えてきています。
遊星減速機の特徴は、平歯車と比べると同体積で高減速比が得られ、更に入力軸と出力軸が同軸上にあるため小型化できるところにあります。
円筒減速機付モータと遊星減速機のイメージは下記ご参照下さい。
遊星減速機は産業機械やロボットはもとより、ハイブリッド自動車やEVなど様々な用途で使われていますが、弊社モータは元々電動工具等の省力機械の駆動用途が中心であったため、これまでは遊星の要望があった際には購入品で対応していました。
しかしここ数年、IPMモータを発表し様々な電動化案件に対応していく中で、ご要望が増えてきましたので、昨年より事業再構築補助金を活用してIPMモータの量産化設備投資と共に遊星減速機の技術導入と生産設備投資も並行して進めています。
第一弾としてシートシャッター等の耐久性が要求される高負荷駆動を想定した遊星減速機(下図)とIPMギアモータの量産試作に鋭意取り組み中です。
ご紹介できる段階になりましたら、ブログや製品ページに掲載していきたいと思いますので、楽しみにお待ちください。
お盆休みを過ぎても、まだまだ暑い日が続くと思われます。
皆様、体に気を付けてご活躍下さい。