発電機について
こんにちは、今回ブログを担当する、明和製作所技術部の藤井といいます。
今回は発電機について、話をさせて頂こうと思います。少しの間お付き合いください。
今後弊社では、ブラシレス(IPM)モータを利用したIRG発電機なるものを約0.4~3KWの範囲で対応できる様、準備を進めております。
従来小水力用として対応しておりましたORG発電機につきましては、2021年4月限りの対応となります。短い間でしたが、ご利用頂きありがとうございました。また、今後はIRG発電機のご利用をよろしくお願いします。
ここでは、従来の小水力発電用発電機ORGと新しいIRG発電機について、どの様な違いがあるのか?を中心に話を進めさせて頂きます。
ここで、小水力発電用とありますが、「小水力発電」とは一体どの様な定義なのでしょうか?実は世界的に統一されておりませんで、従来から概ね「10,000KW以下」の発電について小水力発電と呼ばれていたのですが・・(NEDOのガイドブックでは、「10,000kW以下を小水力」、「1,000kW以下をミニ水力」、「100kW以下をマイクロ水力」などと分類していますがこの呼び方はほとんど定着していない様です。)最近国内では、法律上の区分や今後の水力発電の在り方を踏まえ「1,000kW以下を小水力発電」と呼ばれることが多くなっている様です。
では小水力発電用発電機ORGとはどのような特徴の発電機だったのでしょうか?
実は弊社では、電動バイクのインホイールモータ(タイヤの内側のホイル部分がモータになっている)を利用して低速仕様の発電機を生産しておりました。この発電機は中心部分が固定され、外側の部分が回転するアウターロータ型の発電機で極数を多くとれるため、低速でも高電圧を発生させることができるのが特徴です。
小水力発電用の水車(風車等)は一般的に回転が遅く一般の発電機の回転数の1000~3000r/minに対して50~500r/min程度になります。よって一般の発電機をこれにそのまま利用するのは難しく、低速仕様の発電機が必要になったのです。
弊社ではその特徴を生かした発電機を500W~5KWの範囲で製作しておりました。しかしこの範囲での発電量では、発電自体でユーザー様が発電事業の運営で採算を取る事は難しい事から、生産を見合わせる事となりました。現状日本の小水力事業者では30~50kW程度の出力がないと総費用の回収は難しいようです。
ただ、お客様にモータを供給していく中で、「エンジンの電動化」の話を多く頂き、その中で出力の大きいところはエンジンで、その他を電動化したい。ただなるべくバッテリーを小型化したい。そのためには発電機をエンジンで動かしバッテリーに充電をさせる必要がある等のご要望から、ブラシレス(IPM)モータを利用した発電機IRGでこれらのご要望に対応を始めました。(以下に対応3例と実際に製作しました発電機の仕様と外観図を示します、参考にして頂けると幸いです。)こちらの発電機はお客様にとって、どうしても必要な駆動装置用電源として使って頂いておりますので、発電自体で採算をとる必要がありません。今後「エンジンの電動化」の流れもあり、益々需要が増え皆様のお役に立てるのではと、期待しております。
21年の5月頃からこの発電機の資料もホームページ上にUPを予定しておりますので、興味を持たれた方は是非覗いてみてください、またお問い合わせもお待ちしております。
【利用例1】バッテリー容量を小さくするため、エンジンはメイン駆動に使いエンジンを
利用した発電機でバッテリーを充電しながら制御性の良い、補助モータを
別途駆動する
【利用例2】油圧回路しかない場所で、モータ又は電気機器を動かしたい時
油圧モータで発電機を運転して電源を確保する
【利用例3】回転の遅い水車・風車に増速機をつけ発電機を利用する
◎発電機実績表
型番 | 出力(KW) | 電圧(V) | 回転数(r/min) | |
IRG-112M | 0.5 | 20 | 3500 | |
IRG-112L | 0.8 | 20 | 3500 | |
IRG-112LL | 1.2 | 40 | 3500 | |
IRG-182S | 0.55 | 170 | 1600 | |
IRG-182L-1 | 3 | 40 | 3500 | |
IRG-182L-2 | 3 | 200 | 3000 |
・IRG-112シリーズ発電機はモータの外形図を参照下さい。
IRG-182Sタイプ発電機外形図
IRG-182Lタイプ発電機外形図